Kazenonaka

「風の小径」のさらに小径

そして、追憶編。 ー白梅の香りー

去年の年末、金曜ロードショーで「るろうに剣心祭り」があったのをきっかけに

ずっとこの世界に浸っています。

結局、CMをはさむ録画では満足できず、DVDスペシャルプライス版を購入。

(あとでみたら、Blu-ray版もスペシャルプライスになってました。

こっちにすればよかった^-^;)

るろうに剣心 Blu-rayスペシャルプライス版

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るろうに剣心 京都大火編 Blu-rayスペシャルプライス版

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るろうに剣心 伝説の最期編 Blu-rayスペシャルプライス版

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そして、この実写版を観ているうちに、

剣心が高荷恵に語る十字傷がついたエピソードが気になり始めました。

(それに「伝説の最期編」を見ていたムスメとオットが、

この実写版での十本刀の扱いはあまりにもかわいそうとも言うので、それも気になり…^-^;)

 

そこで、TVアニメ版の剣心を見ることに。

 ところが、TV版を見ても、十字傷についての過去エピソードが出てきません。

どうやらTVアニメは京都編を制作している時点で原作に追いついてしまい、

63話以降は原作とは離れて、TVアニメオリジナルな話になったようです。

(そして原作の人誅編は話が暗くて重いので、

当時、お子様向けゴールデンタイムのアニメでは作られなかったらしい。

エンディングの絵柄に巴さんはちょこっと出てくるので、

作るのか作らないのか、その当時、もめていたのかもしれませんね。

この辺りは大人な事情があったのでしょう…。)

 

というわけで、結局、十字傷のエピソードを読みたいが為に、

原作を読むことになりました。

(電子書籍で大人買い、^-^;)

るろうに剣心 完全版 全22巻 完結セット  (ジャンプ・コミックス)

るろうに剣心 完全版 全22巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)

 

 ついでに、完全版の22巻(だけ)も、弥彦の逆刃刀を読みたいがために購入。

(この辺りで、ムスメにあきれられる…。

いや、実写版のDVDを3枚買いそろえたところで、すでにあきれられていたかも…^-^;)

 

るろうに剣心 追憶編 [Blu-ray]

るろうに剣心 追憶編 [Blu-ray]

 

で、十字傷のエピソード、最終的に行き着いたのは、この追憶編です。

これは1999年にOVAで制作されたもの。

原作の「人誅編」から「追憶ノ壱〜十四」の部分だけを抜き出してアニメ化したもので、

TVアニメとはまったく絵柄も異なります。

 

話は4部構成。

幕末、剣心が師匠に拾われてから、鳥羽伏見の戦いまでのお話です。

 

第一部「斬る男」 

剣心が師匠に拾われて剣の修業をし、師匠のもとを飛び出して高杉晋作率いる「奇兵隊」に参加し、

桂小五郎に見出されて京都で人斬りになり、巴と出逢うまでの話。

この回でまず十字傷の縦の傷が刻まれます。

 

第二部 迷い猫

巴と出逢ってから、池田屋事件までのお話。

新撰組、斉藤一と沖田総司が抜刀斎の存在に気づく回。

 

第三部 宵里山

動乱の京都をさけ、大津の里山で暮らすお話。

 

第四部 十字傷

剣心の頬に十字傷が刻まれるエピソード回。

この十字の横の傷が刻まれるエピソードは、原作とこのOVA編では違う形となっています。

原作よりOVA編のほうが、より深いエピソードになっているかと…。

個人的にはこのOVA編の傷のつき方のほうが好みかも。

 

4部構成、合計約2時間のこのアニメは、

まるでひとつの映画を観ているような作品に仕上がっています。

(TVアニメではギャグがあったり、必殺技を口にしながらの戦いがあったり、

いかにも少年漫画原作のアニメという感じでしたが、

この追憶編はまったくそういったシーンがなく、TVアニメとは全くの別物になっています。

人斬りシーンは結構残酷、けれど心情の変化を映像で細やかに表現していて大人向け。)

 

象徴的に使われているのは、季節折々の花や生き物たち、それに風景と駒と手鏡と酒。

鬼灯、椿、桜、石榴、花菖蒲、ススキ、柿の木、そして蛍、秋茜。

祇園祭のお囃子、花売りの大原女(おおはらめ)、琵琶湖のさざ波、虫の音、鳥の鳴き声、大津の里山の棚田風景、十五夜、そして初雪…。

特に大津の里山と琵琶湖の風景はどれも美しくて切なくて、

それだけで胸がきゅうっとなります。

 BGMもせつなく美しく、きゅうっと胸に染みわたる感じ。

 

剣心の人斬り抜刀斎の話と幕末の史実がうまく絡み合って、

ひとつの深くて悲しい物語として、完成された作品になっています。

(ヘタな大河ドラマより面白いといったら、言い過ぎかしらん? ^-^;)

幕末の時代劇のひとつとして、この追憶編をあげる人もいるぐらい、

評価が高いそうですが、確かにそうだなと思える作品でした。

(この作品、海外でも評価は高いそうです。)

 

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先日、白梅が咲いているのを見かけました。

そばに寄ると、ほんのり甘い香りが漂ってきました。

巴がつけていた「白梅香」の香りは、

きっとこのせつなくなるような甘い香りだったのでしょう。

アニメーションの映像から、ふっとこの白梅の香りが届いたような気がしたのは、

きっと私だけではないと思います…。

 

ー☆ー

マミーさんへ♪

マミーさんのブログのコメント欄でこれ以上

剣心について語るのはどうかと思ったので、^-^;

こちらで記事にいたしました。

よかったらマイク君にこの追憶編をおすすめくださいまし。

(あ、あくまでバトルものが好みだったら、TVアニメ版のほうがいいのですが…。

この追憶編はかなりシリアスな話になっています。

ただ海外のアニメファンにも評価が高い作品なので、一見の価値はあるかと…。)