先日「北村美術館」の春季茶道具取合展「春を惜しむ」を
見に行ってまいりました。
今回の展示は、定家筆「桜ちるの文」や油滴天目茶碗など、
「小堀遠州」に関わる品々の展示でした。
そして「四君子苑」も公開されていたので、そちらも見学させていただきました。
(今回は「夏のしつらえ」になっていて涼しげでした。)
お天気もよく、新緑と苔が美しいお庭を堪能いたしました。
中の撮影は出来ないので、以下覚え書き。
・ここは昭和の数奇者と言われた「北村謹次郎」の旧邸。
・入ってすぐの垣は「稲穂垣」、
稲穂を逆さに吊るたような、まるで稲穂をはざ掛しているような形。
・四君子苑の建築を手がけたのは、野村碧雲荘も手がけた北村捨次郎。
・昭和15年から19年にかけて建築。
・この時代だったからこそ手に入った銘木を使い、
戦時中だったために仕事がなかった一流の大工や職人たちの手によって造られた。
・戦後、進駐軍に母屋を接収され改造されたため、
昭和38年に吉田五十八によって新しい母屋が建設、
お庭も佐野越守により現在の姿になったとのこと。
・奥の広間の正客席からは大文字が見える。
・お庭にはさまざまな石造美術品があり、重要文化財も3点あり。
( 六角形石燈籠・宝篋印塔「鶴の塔」・八角形石燈籠)
・毎年送り火に合わせて茶会がひらかれていたのは、
そうした石の供養のためもあった。
こちらは、鴨川沿いの垣の外から撮った巨椋の樹、
樹齢550年、応仁の乱をくぐり抜けてきた巨椋です。
そして、お庭には名残の枝垂れ桜の花と
ピンク色した可愛らしい花梨の花が咲いていました。
お庭を眺めていると、常に清らかに流れる小川の音と、
小鳥のさえずりが聞こえてきます。
池の水は地下水なので、とても澄んでいて綺麗なお水でした。
その澄んだ水のなかを、錦鯉が悠然と泳いでいます。
新緑のなか木漏れ日がさすお庭を眺めていると、
しばし時を忘れてしまうようでした。
「春を惜しむ」展は、平成28年6月12日まで。
「四君子苑」の公開は4月24日までです。
なお、WARAKU MAZAZINE(小学館)のサイトに
「四君子苑」のお庭の様子が詳しくのっていたので、リンクを貼っておきます。m(_ _)m