Kazenonaka

「風の小径」のさらに小径

「ことり」

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春になると、高らかに春の喜びを歌うメジロちゃん♪

 

小川洋子さんの「ことり」読了。

久しぶりに小川洋子さんの本を読みました。

(というか、小川洋子さんの本は「博士の愛した数式」と「ミーナの行進」しか

まだ読んでないけれど…)

(追記:と思い込んでいたら、 あと「カラーひよことコーヒー豆」も読んでたこと思い出しました、^-^;)

 「ミーナの行進」を読んだときも思ったけれど、

彼女の本を読むと、どこか懐かしい気持ちになります。

それはたぶん、私が育った時代が物語の背景になっているから。

ときおり見え隠れする懐かしい昭和のあの時代の空気にふれて、

それで胸がきゅうってしてしまう。

私が子どもの頃、父が勤めていた会社は結構日本各地に保養所を持っていて、

一度、三島(静岡県)の保養所に行ったことがあります。

それこそ、小さなバスケットに自分の宝物をつめて。

そこのお庭がとても素晴らしくて、

当時小学生だった私でも、そのお庭がとても気に入ってしまいました。

(ここが自分のおうちのお庭だったらどんなにいいだろうって…(^^;)

今思うと、きっと小鳥の小父さんのような方が、

あそこの管理をまかされていたのだろうなぁ…と。

あの時代、企業はそういったゆとりがありました。

(バブルの頃とはまた違う、ゆったりとした感じ。)

日本がパブルに狂乱して、そしてバブルがはじけて、

そうした施設をみな、企業は手放して行きました。

私が育った時代は、今思うと今のように便利な世の中じゃなかったけれど、

よい時代だったんだなって思います。

「ミーナの行進」のときも感じた、今はもうなくなってしまったものへの郷愁を

この本でも感じたのでした。

 

ことり

ことり

 

ミーナの行進 (中公文庫)

ミーナの行進 (中公文庫)